緑間玲貴 新作バレエ「御佩劍」を再演出
能楽とバレエ 国立能楽堂で魅せる新旧の伝統美
バレエ「御佩劍」国立能楽堂 特別演出版
2022年 6月25日(土)国立能楽堂
「トコイリヤ RYOKI to AI vol.9」にて
バレエと能楽
〜西洋の舞踊芸術と日本の舞踊芸術が出会う時〜
緑間玲貴の舞踊生活35周年記念作品として制作したバレエ「御佩劍」(みはかし) は、今夏、国立能楽堂特別演出版として上演。
ヤマトタケルの剣伝説を、バレエと能楽を融合させる目線から捉え直した長編バレエです。
会場となるのは「国立能楽堂」
通常のバレエの劇場機構とは異なる、能楽堂の空間で一夜限りの特別な「御佩劍」が立ち上がります。
演出には「能楽」の他にも、琉球文化や古事記などのエッセンスも、ふんだんに取り入れ、まさに日本版バレエといえるでしょう。
バレエ「御佩劍」国立能楽堂 特別演出版
2022年 6月25日(土)国立能楽堂
「トコイリヤ RYOKI to AI vol.9」にて
琉球文化が誇る、国内第一級史料「おもろさうし」が新たな命を得て舞台に蘇り【大和文化】と【琉球文化】が重なる、古きを拓いて前に進むバレエ「御佩劍」
古事記の登場人物「倭建命」の伝説をベースに、ヤマトタケルの未来をみつめる創造性と破壊性を「分断と調和」というテーマにして表現し、人類の今を問います。
バレエ「御佩劍」国立能楽堂 特別演出版
2022年 6月25日(土)国立能楽堂
「トコイリヤ RYOKI to AI vol.9」にて
【公演概要】
沖縄復帰50周年記念
緑間 玲貴 舞踊生活35周年記念
バレエ・アーティスト 緑間 玲貴 東京公演
「トコイリヤ RYOKI to AI vol.9」
バレエ「御佩劍」-MIHAKASHI-
日時:2022年 6月 25日 (土)
18時 開演
※開場時間は17時15分を予定
劇場:国立能楽堂(東京都渋谷区)
演出・振付・構成:緑間 玲貴
音楽制作:YURAI
衣裳デザイン:下田 絢子
主 催:一般社団法人 トコイリヤ・ソサエティー
協 力:伝統の橋がかり
緑間バレエスタジオ
株式会社Artist Support
チケット料金:
特別席:30,000円 完売
S席:18,000円 完売
A席:10,000円 残席10
演出・振付・構成:緑間 玲貴
【出演】
倭 建 命: 緑間 玲貴
弟橘比賣命: 前田 奈美甫
倭 比 賣 命: 関 直美(シテ方 宝生流 能楽師)
天 叢 雲 剣: 渡久地 真理子
自 然 主: 柳元 美香
山 の 化 身: 上杉 真由
自 然 達: 吉原 詞子 金城 凪香
演 奏: YURAI
新作バレエ「御佩劍」について
本作は、三種の神器のうちのひとつ、天叢雲剣を主題とするバレエ作品です。
この剣を授かるのは、古事記の有名な登場人物である倭建命。
その人生になぞらえ「剣(つるぎ)」の本質を舞踊作品として、全10章に分けて発表致します。
これまでの人類社会において、剣は「闘う」側面を強く持っておりました。
一方、地球規模で多様性に目を向け始めた現代の人類において剣は、「勇気」「強靭さ」「祓い」「守護」「意志」などを象徴する新たな側面を持ちます。
この新しい価値観は、既に我が国も古くから持ち合わせたものでありますが「分断」または「調和」というテーマを掲げ、現代社会を風刺しつつ、現代に生きる人々の「今」を問う作品となっています。
本作の音楽の一部には沖縄文化の成り立ちを知る上で希少な国内第一級史料であり、琉球最古の文学【おもろさうし】を起用しました。
独自研究により新たな創造物として蘇らせるとともに、現在では全く別の文化であると知覚されている琉球文化と大和文化が一つの大きな共栄圏の中の二つの文化であるとの気づきを想起させ、共同体としての平和と、一方で多様性からの平和も感じさせられるような仕上がりになっています。
また、能楽師の関直美(宝生流)を迎え、【能楽】と【バレエ】を組み合わせる演出を試みており、西洋のバレエをベースに古い日本文化と琉球文化が交錯する演出となります。
コロナ禍を経て、新しい価値創造が求められる時代において、舞台芸術は困窮を極める現代社会に「立ち直る強さ」を提供し、人類の精神面の軸の強さを、本作で表現する剣と重ね合わせ観客や本企画に関わる全ての人への「生き抜く力」を養う一助となりたく、新制作で発表致します。
緑間玲貴からのメッセージ
トコイリヤ公演プロジェクトが掲げるミッションのひとつはバレエを基として世界中のあらゆる舞踊ジャンルに共通する「眞・善・美・愛」という哲学を研究し、総合芸術としての新しい舞踊アイデンティティを創造し、沖縄から日本国内外に向けて発信することです。
本作「御佩劍」(みはかし)は琉球文化「おもろさうし」(秘儀古謡)の音楽性と大和文化「能楽」の舞踊スタイルなど、日本国内の出自の異なる文化の要素を織り混ぜ、「バレエ」という型でまとめ上げています。
どちらもバレエと同じように500年から600年の歴史を持ち、我が国が育んだ表現手段です。
この度、既発表作品「御佩劍」の特別演出版を能楽の殿堂「国立能楽堂」において上演致しますが、出演者とスタッフ一丸となり、能楽の深淵な世界に学び尊敬を込めて作品の別の一面をお届けできることを嬉しく思います。
バレエダンサーが国立能楽堂の舞台に立つことも、稀なことでありますが、既に劇場で作品をご覧になった方は、同じ作品の別表現スタイルをご覧になることでしょうし、はじめてご覧いただく方も我が国が持つ表現スタイルの多様性に驚かれると思います。皆様のご来場を、国立能楽堂でお待ちしています。
『トコイリヤ』について
沖縄出身のバレエ・アーティスト緑間玲貴を中心に構成しているバレエ公演企画。
バレエ、琉球舞踊、日本古来の巫女舞、観音舞、能楽などの各舞踊に共通する「眞・善・美・愛」の世界観を基に、新たな世界観を生みだす舞踊作品を継続的に創造することを追求し、国内外に発信をしている
「トコイリヤ」は、2015年5月の東京「座・高円寺」での初演を成功させ、2016年1月に沖縄の自然の洞窟「ガンガラーの谷」で第2回公演を開催。その独自の世界観に反響が広がり、地元TV局(琉球放送株式会社)の全面バックアップで沖縄での再演が急遽決定し、同年6月に再演を果たしました。
【vol.3公演内容】
『RE BORN「再生」~Bolero~』(ラヴェル曲)を発表。
「柳元美香の観音舞と緑間玲貴のバレエ」という西洋と東洋の舞の型を融合させ、新しい舞踊アイデンティティーの確立と鮮烈な世界観を打ち立て、観客に驚きと感動をもたらし、唯一無二の舞踊作品が誕生しました。
【vol.4公演内容】
舞踊の根源とその動機である「祈り」と「はじまり」を本公演の大きなテーマにし、様々な側面から光をあてる。劇場版へと更に進化した『RE BORN「再生」~Bolero~』(ラヴェル曲)を筆頭に、「ルミエール・ドゥ・レスト」「I suz U」など緑間玲貴振付作品や、上杉真由との共作「道」を披露。
【vol.5公演内容】
「一人の女性の魂の転生と昇華」を描くオムニバスとして作品を提示。
ロマンティック・バレエの名作『ジゼル』を現代の視点から再創造する試みで全幕上演を構想している『MYRTHA』より抜粋、沖縄の先祖供養の祭事を扱った『清明(せいめい)』(振付:上杉真由)、緑間が 倭建命、前田が弟橘媛命に扮する『the SWAN~倭建命~』などの新作を公開した。
【vol.6公演内容】
当初、国立劇場おきなわでの1日公演を予定していたが感染症拡大防止による一連の流れにより、一時開催を検討。
その後、「芸術の灯は消せない」という緑間玲貴の発言と共に、バレエ作品の新規映像制作と、劇場からの生配信をパッケージ化
する『トコイリヤ ARt MOViEng 』(トコイリヤ アート ムーヴィング)と観客動員型公演『トコイリヤ RYOKI to AI vol.6』の
2本立てで企画が立ち上がる。この企画は、宜野座村文化センター「がらまんホール」の全面協力を得て行われる。
新作「四方拝」を公開。
【vol.7公演内容】
現代舞台芸術のための日本唯一の国立劇場としてつくられた新国立劇場(小劇場)で開催。
「ヤマトタケルの剣」を主題のバレエ「御佩劍」(みはかし)を新制作で発表。
「バレエ」「能楽」「おもろさうし」「古事記」「観音舞」を1つにまとめあげ、琉球文化と大和文化の融合を図る演出。
演出・振付・音楽・衣裳・台本・構成、全てをゼロから創造し作品を立ち上げる。
【vol.8公演内容】
那覇文化芸術劇場 なはーとの「こけらおとし公演」として大劇場で上演される。
新しく演出が加わった新作バレエ「御佩劍」(みはかし)の再演と
トコイリヤのレパートリーの中から代表的なものを3部作で発表。
トコイリヤ史上、最も大規模公演となった。
文化庁 令和2年度 文化芸術振興費補助金子供文化芸術活動支援事業
(劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験事業)の採択事業として公演。
【vol.9公演内容】
能楽の殿堂、国立能楽堂におけるで開催。新作バレエ「御佩劍」(みはかし)を
国立能楽堂 特別演出版として上演。
「バレエ」と「能楽」の伝統美を際立たせる、日本発信の「日本のバレエ」を
コンセプトに公演。
【vol.10公演内容】
日本橋公会堂において2日間の開催(予定)。
バレエ「御佩劍」と「10回記念スペシャル公演」の2つのプログラムで上演。
「10回記念スペシャル公演」のプログラムは、観客のアンケートにより過去の上演作品から
人気の高い順に決定する。